有機JASとはAbout organic JAS

最近、有機栽培による生産物が人気となっています。安全性が高いことが売りですが、実際のところ本当に安心できるものか、規定はあるのかと疑問に思う人もいるかと思います。そこで、それらの規定、規則について説明しましょう。有機作物を規定する法律にJAS法という規格あります。
この法律ができた発端には、化学農薬などの薬品の健康被害の表面化や安全性を求める消費者のニーズにより、各生産者が無農薬栽培、減農薬、無化学肥料栽培などといった作物を生産、販売しだしたことにあります。しかし、それらの名称のややこしさから消費者の間に混乱が発生し、それに対処するための法律としてできたのがJAS法です。
なお、有機作物の表記の混乱を抑えるための法律ですが、海外のACO認定機関などのように、事実上は安全性を示す規定としての意味合いのほうが強いようです。JAS法は有機作物の条件を定めた法律で、この法律が規定する条件をクリアし、機関に認められた作物以外が有機作物を名乗ることを禁止しました。この規格に沿って有機作物として認められるには多くの条件をクリアしなければなりません。
まず、作物を栽培する土壌が種付け前に2年以上化学薬品を使用していないこと、栽培時に規定以外の農薬や、化学肥料を使用しないこと、栽培する作物が遺伝子組み換え作物でないことなどがあります。また、出荷時に有機栽培されたものが、ほかの生産物などに混合しないことなど栽培方法以外にも出荷方法などで厳しい規定があります。

これらの厳しい審査を通り認可された生産物だけが有機作物として販売でき、特に食品には有機JASマークが表記され、生産者も有機農家として認められます。有機農家として認められたその後も、1年に一度ある審査のために規定を守り続ける必要があります。これに違反すると有機農家としての資格がなくなり、罰則を受けることになります。
そのため、以前のように軽々しく有機作物として出荷、販売することができなくなりました。それもあって、現在は、購入者間の混乱は収まり、正しく安全な有機作物を購入することができるようになったのです。商品も第三者が審査したものなので、安心してよいでしょう。